サブプライム問題が話題に上っている米国では、そのサブプライムも含めて、証券化がごく当たり前に行われている。一方、日本では、証券化はこれから増えるだろうという感じで、この違いはどこにあるだろうと思っていた。
資金の需要
これは国による違いは無く、人がいて家を建てたい人がいれば、住宅ローンの需要があるし、商売をする人がいれば、借入金の需要がある。住宅ローンは人が住む所ならどこでも、商売は人口の多い所に集中する。
銀行の偏り
日本:都銀が全国に支店を持っていて、都道府県レベルでみれば、偏りが少ない。
米国:カリフォルニアやニューヨーク等西海岸と東海岸に資金需要が集中していて、銀行もそこに集中している。
日本の場合、家を建てたければ、近くの支店に行ってローンを組める。ほぼ全国的に同じレベルのサービスを提供しているので、住宅ローンの組めない地域は無い。
米国の場合、国土が広く、資金需要も沿岸部に集中しているので、ある地域では資金が少なくその銀行で扱えるローンの総額が小さい事もある。それでも、人がいる限り住宅を買いたい・建てたい需要はあるので、資金が必要になる。
ある銀行(ニコニコ銀行としよう)は、住宅ローンを20億円まで扱えるとする。
住宅が2000万円で、みんな頭金200万円、ローンを年利5%で1800万円組むとすると、ニコニコ銀行は111人に貸し出すと貸し出し残高が19億9800万円になり、112番目のお客さんからは、ローンを組めず家を買えない事になってしまう。(日本の場合は、都銀等は全国の支店網の中で調整する事もできるので、こういった事は起こらない。)
それでも、家を買いたい人はいるので、銀行がお金を調達する必要が出てくる。ここで出てくるのが証券化。計算し易く100人分で考えると、18億円のローンをまとめて年利3%の配当が出る債券として、売るのである。
お金を持っているニューヨークの銀行が10億円分、他が5億円、3億円等と引き受けてくれれば、ニコニコ銀行は、また18億円分のローンを貸し出す事ができる。
ニコニコ銀行としては、証券化しない方が5%丸儲けできるけれど、ローンを組みたい人がいるなら、目先の儲けを減らしてもお客さんを増やす方が良い。もちろん、国家としても住宅供給は大切なので、債券化をするのに保証を付けて格付けを取得するというバックアップをする。
こうして銀行の偏りや資金の偏りのある地域でも資金を提供する事ができるようになるのが証券化の一つの利点。ここまではとてもいい方法なのだ。
問題は、この仕組みが行き過ぎる宿命を持っている所にある。
(1)ニコニコ銀行は、資金を調達していけば、現金で持っている訳にはいかない。5%稼げるはずが4割の利子2%分しか入ってこないから。元々の稼ぎを得るには、同じ事を繰り返して、さらに27億円分のローンを貸し出して、証券化しているローン残高を45億円まで貸し出しを増やしていく必要がある。
(2)さらに進むと、ニコニコ銀行は「債務不履行が起こっても俺たちはそれほど損しないぞ」と気づく。証券化しているのだから、ローンを返せない人が出ても元金は回収済みで、ニコニコ銀行の取り分2%が入ってこなくなるだけ。そう、貸し倒れリスクを恐れず、じゃんじゃん貸し出せば、それだけ儲かるじゃないかと。
(3)かくして、返済能力が期待できない人にまで貸し出してしまったのが今回のサブプライム問題の一端ですな。
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