見た目や処理結果の美しさに惹かれるNumbersだけれど、Excelを完全に置き換えるには力不足の部分が有る。例えば、大量のデータを処理しようとすると重い。

Numbers '08
大量のデータを扱うとどうなるか、試しに過去20年分の日経平均の4本値(始値、高値、安値、終値)のデータから20日間移動平均線を計算してグラフにするという仕事をさせてみた。
データは、日付、4本値、直近の2年分くらいに出来高が入っていて、4460行、セル数で1万8364セルくらい。移動平均線の計算が約4440回になる。
たいていは、計算が数行で宛先等を含めてもA4で1ページに収まる見積書や請求書を作る事が多いからこの件数は、自分が扱うデータ件数としてはかなり多い部類に入る。
4本値の元データはxlsファイルで持っているので、いったんxlsファイルを開いてから、新しく作ったNumbersのシートにコピーするという作業をしてみる。が、コピーしてシートを切り替えるのにレインボーが出てきて待たされる。
移動平均の計算は、20日間の終値を足して20で割るという四則演算だけど、20日目のセルに数式を入れて、「下方向に適用」を選ぶと最後の結果が表示されるまでに数秒かかった。
ちょっと遅いかな。ただし、計算は一度きりなので気にはならない。
普段、表計算を使う中で、計算速度が気になる程の複雑な計算をしないので、自分にとっては、その速度が問題になる事は無いような気がする。
グラフはプロットする点が多いためかさらに重い。表示されるまでに2〜3分かかってしまった。グラフの作成は実用的な速度とは言いがたい。
グラフは折れ線グラフを選んだが、その遅さはデフォルトが3Dグラフになっていたり、プロットした点に○印がついているのもその原因のだろうと思う。2Dグラフで、折れ線のみに変更すると、なんとか使えるレベルの速度になる。
使っているのはiMacで、Core2 Duo 2.0GHzに4GBのメモリを積んでいる。他のアプリケーションで特に不満に感じる事はないので、やはりNumbersの問題だろう。
もう一つは、計算処理については、Excelに比べると少し荒削りに感じる所が有る。
例えば、時間計算でこういう事があった。
ある仕事の開始時間10:00、終了時間12:30といった場合に2.5時間という答えを得たい、このやり方がすぐに判らなかった。Excelで「終了時間ー開始時間」を計算すると、2.5と帰ってくるのだが、Numbersでは結果が小数で返ってくるためである。
後で判ったのだけれど、この小数で返ってきた結果に24を掛けると目的の時間数2.5が得られる。Excelの場合は、ここまでを自動でやって答えを2.5と表示してくれるので、この方がユーザの期待通りの動きをしてくれるように思える。
小数のまま方が他の計算や比較に役立つのかもしれないが、Excelは時間の計算で期待される場合が多い時間数をデフォルトの答えとして採用しているのだろう。
もう一つは、日付をまたがった時の処理などで、Numbersは少し物足りない部分が有る。
先の例で、開始時間を22:00、終了時間を03:30(翌日のつもり)とすると、期待する答えは、5.5時間だけれど、Numbersだとそのまま入力しただけでは-18.5時間になってしまう。
正しく計算させるには、3:30のセルで日付を翌日に設定してやる必要が有る。簡単なのだけれど、そうするとセルの書式が変更されて日付まで表示されてしまうので、もう一度セルの書式を時間だけ表示するように切り替えてあげる必要が出てくる。
Excelでは、22:00を入力してから隣のセルに3:30と入力すると、3:30の方を翌日の深夜と解釈してくれて、時間数の計算は5.5時間となり、時間の表示も「3:30」のままになる。セルの中を見てみると日付が翌日になっているから、ここも入力されたデータか隣のセルを参照して、翌日だろうと解釈して、ソフト側で日付を設定してくれるのだろう。
Officeがたくさんの余計なお世話をしてくれるソフトなのは分かっているけれど、Numbersはもう少し気を効かせてくれてもいいかなと思う。
このように計算機能の面では、大量のデータで重くなったり、データ形式をうまく解釈してくれないので、アンケートの集計やアルバイトの時給計算を毎日のようにやる等、大量のデータを扱う頻度が高い人にとっては、作業効率を考えてExcelを使わないというのは難しい部分もあるかなと思う。
ただ、Excelで計算して、Numbersで印刷レイアウトするという組み合わせ使うと強力な組み合わせになりそう。 個人的には先述のように大量データを扱う機会は少ないので、NumbersをメインにExcelを補完的に使えば充分実用になりそうである。
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