札幌に出向いた時、新千歳空港の着陸間際に、意外に広いのだけれど、使われてなさそうな空港があるのを見かけた。航空自衛隊の千歳基地かと思ったけれど、隣同士と言うには離れているし、人気(ひとけ)も無いので、なんだろう?と調べてみると、米軍のキャンプ千歳だと判かった。1975年に閉鎖された後、全く使用されていない(Wikipedia)。着陸コースから見てこの飛行場の向こう側に、陸上自衛隊の東千歳駐屯地がある。
首都圏に住んでいると、海外に出る時は成田空港を使う事になるのだけれど、ご存知の通り、遠い。出発の2時間前にチェックインする事を考えると、都内からの移動だけで半日掛かりになる。その上、離陸する飛行機が列をなして渋滞しているのに、未だに有効な解決策を採れない成田よりも他に空港はあるんじゃないか。
羽田から、関空に乗り継いでアジア方面に行く人もいるという。確かに、例えば、横浜に住んでいるなら、東京を横切って成田に行くのと変わらないか、羽田から飛行機で関空に移動した方が便利な気もする。大きな荷物を持って電車を乗り換える手間やリムジンバスが都合のいい時間にあるかどうかを考えると、ずっと便利なのかもしれない。
反対に欧米方面に行く事を考えると、成田から先に代わりになりそうな空港が見当たらない。北海道に住んでいるpeak1839さんが、「ハブ空港・ゲートウェイ空港とは」(五里夢中於札幌菊水)で書かれているように、北海道人は、欧米に向かうのに一度成田に出る事になり、新千歳〜成田を往復させられているようなものだ。東北に住んでいる人も似たような状況だろう。
新千歳の近くに使われていない広大な土地があるのだから、これを返してもらえれば、土地的にも騒音問題でも拡張に困っている成田空港は放っておいても良いんじゃないかと思う。石原都知事が尽力している横田基地の返還も大事だけど、こっちを返してもらうのも同じ位大事に思う。
さて、新千歳空港をハブ化した時の利点は、
・札幌市内に近い
JRを使えば30分で札幌市内にアクセスできる。国際線との乗り換え時間を利用すれば、国内からの客も出発前や帰国後に札幌観光ができる。札幌市内へのアクセスが便利だから、ストップオーバーを使った外国からの観光客も呼び込む事ができる。
シンガポールのチャンギ空港では、乗り継ぎまで5時間以上ある人には、無料で市内のバス観光に連れて行ってくれるというサービスがある。市内の名所等を一通り案内してくれるようだけど、これなぞ、「こんなに楽しい所があるでしょう、次回はちゃんと予定を組んで、シンガポールで降りて。本格的に観光して下さいね。」というしたたかな技だと思う。こういう観光客を勧誘するプロモーションこそ、地方の景気浮揚・雇用対策に結びつくのではないだろうか。成田だと、東京を案内するには移動に時間がかかりすぎるし、成田周辺では魅力に乏しくて、こうしたミニツアーで現実的ではない。空港と都市で観光客増加の相乗効果を生み出していく事ができるのは新千歳空港ならではだ。
・アジア圏からのトランジット(乗り換え)にも便利
アジアと北米を結ぶ国際航路上にあるので、韓国、台湾、中国、フィリピン、シンガポール辺りまでの様々な国から乗り継ぎに使ってもらえる。人と飛行機で混みあう成田はパスして、便利な所を利用してもらえばよい。
そのためには、乗り換えの間、制限区域の中で楽しく過ごせるように映画館などのアミューズメント施設をそろえる必要があるけれど、特別なものを用意せずとも、街中にあるシネコンやゲームセンターなどハイテクアミューズメントを持ってくればいいし、外国の人には足湯なんかが受けるかもしれない。
いっその事、制限区域は日本でありながら日本ではないので、それこそカジノを置くのはどうだろう。乗り継ぎの合間にルーレット等を楽しんでもらい、外貨を稼ぐ事ができる。日本人でも出国手続きをした後だけ遊べるのだから、国内にカジノを置くのとは全く別に考えられる。中華系の人は熱くなる人が多いというから、さらに雀荘もあると、人気の乗り換え空港になれるかもしれない。
・土地に余裕があるから、必要に応じて拡張できる
周辺の土地に余裕があるのはもちろん。米国から、キャンプ千歳を返してもらい現在の千歳基地を移転すれば、3000mの滑走路を3本と2700mを1本持った空港になる。成田が中途半端な3250mと2180mの2本、関空が3500mと4000mの2本、中部が3500m1本と比べても3000m級の滑走路を4本持つ空港というのはずいぶん余裕のある国内最大の空港になる。しかも新千歳の3000mは900mの過走帯があり、4000mとしての運用も可能だという。
一方で、国防上の理由で千歳基地の位置を動かさないのなら、返してもらったキャンプ千歳の飛行場を貨物専用空港にしても良いと思う。アジアから来た重量物を満載した貨物機は、太平洋を横断するのに一度給油する必要があり、新千歳は給油地として使われている。
ここで考えている形態は、「ハブ空港・ゲートウェイ空港とは」(知ってて快適「空の旅」)によると、ハブ空港ではなくゲートウェイ空港と呼ぶものだそうだ。
新千歳空港のハブ化というのは、けっこう考えられているようで、「ハブ空港」(雑学の泉)では、羽田、中部、新千歳を比べて述べられている。
30年経っても便利にならない成田空港は置いておいて、欧州・北米方面は新千歳をゲートウェイ空港にして、アジアから中東方面へは南の那覇空港を選ぶのはどうだろうか。南北に長い日本の国土を活かした利便性と経済の発展を考えて欲しいものだ。
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