Googleニュースで、海自艦がソマリア沖で海賊追い払ったニュースを読んでいて、ちょっと気になる事があった。そのニュースは毎日.jpのものだった。
ソマリア海賊:海自派遣 護衛対象外、外国船から救援要請 大音響で追い払う(毎日.jp)
気になった箇所は、
「現場海域を航行する船舶のうち、海上警備行動で護衛可能な日本関係船舶は約1割とみられ、今後も同様の事態の発生が予想されるだけに議論を呼びそうだ。」
議論を呼びそう?一体何の?本当なのだろうか、という気になった。ネットを使えば、簡単に複数の新聞記事を読み比べられる。まずは、Googleニュースで該当するニュースを検索してみた。
まずは、朝毎読産日からチェックした
早速、中央5紙(朝日、毎日、読売、産經、日経)からチェックしてみた。

新聞の読み比べ
ソマリア沖、海自艦が不審船退ける 光と音声で接近防止(日経ネット)
シンガポール船からの警護要請を受けて接近防止の経緯と防衛省が今回の活動の根拠を説明された事が書かれている。
ソマリア沖、海自が初の不審船対応 大音響で追い払う(Asahi.com)
現場海域で海賊船と思われる船舶に対処したのは初めてである事、要請を受けてから対応した事が書かれている。
ソマリア沖護衛艦「さざなみ」、光と音で4隻追い払う(YOMIURI ONLINE)
現場海域で護衛艦が不審な船に対処したのは初めてである事が書かれている。
護衛艦、不審船追い払う ソマリア沖、外国船舶から無線受け(産經ニュース)
現場海域で護衛艦が不審な船に対処したのは初めてである事が書かれている。
以上の中央5紙の中で、「議論を呼びそうだ」と書いているのは、毎日.jpだけだった。念のため、他のニュース源も幾つかチェックしてみる。
通信社の記事をチェックしてみた
護衛船団に小型船接近=海自艦のライト照射で遠のく?海賊か不明、ソマリア沖(時事ドットコム)
船の航行方角が書かれていた点が異なるくらいで、上の記事と同じ論調だった。
動画ニュースとともにアナウンサーの読み上げた原稿が掲載されている。こちらの記事も淡々と書かれている。
一つ、外国の通信社の日本語記事があった。
ソマリア沖で「さざなみ」がシンガポール船を救助(AFP BB News)
AFPはフランスの通信社。記事は他と比べても短く書かれている。
国内外の通信社、動画ニュースともに海賊船らしき船を追い払った事を伝えているだけで、毎日.jpの記事にあるような議論を呼びそうな度という記述はどこにも見当たらない。
じゃぁ、シンガポールではどうなの?
シンガポールでは、どう報道されているのかも見てみた。主要メディアがどれかは知らないけれど次の2つのサイトを見つけた。
Japan navy aids S’pore ship (STRAITS TIMES)
Japan destroyer aids Singapore ship off Somalia (channelnewsasia.com シンガポール版)
どちらの記事もAFPの東京支社から配信された記事を掲載していた。
STRAITS TIMESは、「日本海軍、シンガポール船を救う」という見出し。また、記事は同じ配信記事が元になっているのでほぼ同じ内容になっている。海外で自衛隊という曖昧な名称が通用するはずも無く、英語では海軍を意味する Navyと書かれ、護衛艦は駆逐艦を意味する destroyerと書かれている。
さざなみの排水量が4650トンとあり、船の大きさが判かる様に書かれている。国内のニュース記事では小型船や小型の漁船が近づいてきた様に書かれていたが、こちらの記事では、4隻の船は、かなり大型の船1隻と3隻の小型船とある。双方とも武器の使用は無かったと書かれている。
また、日本の軍隊が海外で戦闘に直面するのは戦後初めてで、国連の平和維持活動でイラクやアフガニスタン周辺での活動は、補給や物資輸送等の後方任務だった事にも触れられ、戦後の平和憲法で武器の使用は、兵士自身の護身や日本の財産や国民、船舶、航空機等を守る場合に限られている事が書かれている。
まとめてみると、
毎日.jpの記事にあるような議論を呼びそう等という記述は他のニュース記事には書かれていないので、毎日.jpの独自見解であると判る。世論を誘導したいのか、独自見解をさりげなく混ぜ込んで、さも一般論であるかの様に書かれたり、テレビ報道される事があるので、おかしいと思った時はこうして複数のニュースを読み比べて確認をした方が良い。
何紙もの新聞を取って、あっちこっち見比べたりしなくても、今では数クリックで簡単に比較できるのだから。
毎日.jpの記事掲載から3日経つけれど、議論が起こっている様子はまったく感じられない。改めて、毎日.jpだけの独自見解だったのだと思う。
もう一つは、国内の記事では近づいてきた小型船を追い払った様に書かれていたが、実際には大型の母船と複数の小型船というソマリア沖の海賊の特徴的な構成だった事が判った。しかも記事中では「かなり」(原文では’sizable’)と強調されているので、シンガポール船も身の危険を感じて警護を求めたのだろうと推測される。
日本語以外のニュース記事を少しくらい読める様に外国語を学んでおく方が良いかもしれない。今なら英語が有力だろう。中国の報道が自由化されてメディアが育ってくる頃には別の角度からチェックする意味で、中国語も学べば理想的になるのだろうとも思う。
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