読売新聞の記者は辞書の使い方を知らないらしい
以前、書いた「「がい」の字は碍であって害ではない 」へのアクセスが増えているので、どうしたのだろうと調べてみたら、常用漢字に「碍」を入れて欲しいという意見が多かったというニュースが出たためだった。
常用漢字については、自分を含めて誤解している人が多いようなので、改めて書こうと思っていた。が、昨日、目にした「「碍」常用漢字に必要?…障「害」印象悪く、賛否両論(読売新聞)」があんまりな点を指摘しておく。
見直し案に対して、文化庁によると、約220件の意見が寄せられ、その内20件が「碍」を常用漢字に加えるよう求めているとか。関心の高い事を報道したいと言うの気持ちは分かるが、これを書いた記者は、もう少し調べてから記事を書いた方が良い様に思える。
「障害者」ではなく「障碍者」と書けるようにするためで、印象の悪い「害」は嫌われているようだ。
20件の中身をみていないけれど、「碍」を常用漢字に加えるように意見を出したのは、好き嫌いが理由ではないと思う。
辞書を引けば、「害」と「碍」の意味が違う事が判る。例えば、大辞泉という国語辞典の一部だけが載っているYahoo!辞書で調べてみても、
Yahoo!辞書 – がい【碍】進行を邪魔して止める。「碍子」
Yahoo!辞書 – がい【害】悪い結果や影響を及ぼす物事。「健康に―がある」「農作物に―を及ぼす」⇔益。
と、「害」の反対語は「益」だけど、「碍」の反対語がなさそうだぞとか、記者なら、これだけの情報で2つの漢字の意味や成り立ちが違いそうだ、と気付くべきだろう。そこから漢和辞典でも調べれば、はっきりするはず。
「害」も「碍」も、「さまたげる」ことを意味するが、「害」は「害毒」「害悪」「公害」などの熟語に用いられ、負のイメージが強い。
負のイメージが強いという理由で、漢字を避けていたら、不幸、不安に使われる「不」、悪人、悪魔につかわれる「悪」といったの漢字や損失・事故と言った熟語も避けたいというのだろうか。そうなれば、全てを平仮名で書くしかなくなる。
そんな事に成りはしないけれど、そうなったら、そうなったで、「しょうがい」という平仮名の並びが好ましくない等と始めるのだろうか。
記事には、幾つかの企業や団体の意見も載っているけれど、漢字の意味や成り立ちが違いが、この件についての本質なのだから、そこに触れずに、ご意見を頂戴して記事を書いても、ただ的外れになるだけに思える。
常用漢字については、近いうちに書きます。
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